2024年6月6日、滋賀県長浜市にある【水口製菓】さんを訪問させていただきました。

「美味い煎餅なら、場所に関係なく通用する」。
そんな想いを胸に、先代の教えを受け継ぎ、滋賀で手焼き煎餅づくりを続ける水口さんご夫婦。
今回は、工房の見学を通して、煎餅づくりのこだわりと挑戦の現場を学ばせていただきました。
京都を離れ、滋賀で勝負
水口製菓さんのルーツは京都。先代は京都で煎餅屋を営み、83歳まで現役だったそうです。
「美味い煎餅を作らなければ生き残れない」。そんな言葉を残し、あえて京都を離れ、滋賀で工房を立ち上げたのだとか。
当時は京都の業界内での孤立もあり、決して簡単な道ではなかったと伺いました。
工房の風景と職人の技

工房の壁一面にズラリと並ぶ焼印や煎餅型。その数、350個以上!
煎餅型も150本を超え、辞められた職人さんから受け継いだ貴重な型も多数。まさに“歴史の積み重ね”が感じられる空間です。
焼印は電子式が主流ですが、一部ガス式も併用。熟練の職人技で、細やかな温度管理と焼き加減の調整を行っています。
煎餅づくりの現場
焼成機を使い、1丁の型で9枚を焼き上げる工程。立体型や細かな焼印は特に難しく、損失が出やすいそうです。
焼印入りの煎餅製造には最低3人、時には5人での作業体制。
煎餅の耳をハサミで切り落とし、検品し、一斗缶に詰める…丁寧な作業の積み重ねが、品質の高さを支えています。
未来への挑戦

水口製菓さんでは、新商品の開発にも力を入れています。
特に「麦わらぼうし煎餅」は、可愛らしい見た目と味わいで人気の商品。
開発には工夫が詰まっており、作り方は企業秘密だとか…!
最後に
「どこに行っても、美味い煎餅を作れば大丈夫」。
水口さんの言葉と、工房で感じた熱意は、私たち芸陽堂にとっても大きな刺激になりました。
伝統を守りながら、新たな挑戦を続ける水口製菓さん。素敵な学びの機会をありがとうございました!